Arte viviendas ―ATG作家展

ボゴタ市のギャラリーCASADUCUARAにて東京墨田区のスペースArt Trace Galleryメンバーおよび関連作家22人の展示Arte viviendasを開催いたします。
 
この展示は日本とラテンアメリカにおけるオルタナティブスペースとそれを取り巻く状況の比較研究、および両大陸のアーティストやキュレーターのトランスナショナルなコミュニティ構築を目的としたもので、会場ではアートトレースギャラリーの簡単な紹介映像を投影いたします。
 
6月末日現在アートギャラリーに対する正式な営業許可が下りていないため、基本的にウェブやSNSでの配信となります。
 
場所:CASADUCUARA
住所:Carrera26 #50-94, Bogotá D.C. Colombia
 
オープニング:7月1日水曜日午後7時
クロージング:7月12日日曜日午後5時
 
参加作家 (アルファベット順)山岡有葉・木村宙・コヤマイッセー・万城目純・田尻健二・馬場喜三江・中谷真理子・広瀬真咲・浅野 彌弦・一条美由紀・清水梨沙・橋本佐枝子・河野修二・植野智子・佐々木俊明・太田翔・折笠敬昭・橋谷勇慈・土屋祐子・相良由美・由-YUU
 
キュレーション:Takaaki KJ
 
協力:NPO法人アートトレース
 

Art Trace Gallery ラテンアメリカ展ミーティング

ラテンアメリカは良くも悪くも「やりたいこと」を「やらねばならないこと」に優先する文化で、いろいろな人とコラボするときには相手が本当に約束や期日を守ってくれる人物なのかを見極めなければならない、というのは事実だと思う。

それにしても各人の性質や、彼彼女が日々「やりたいこいと」にフォーカスしていることで担保される、半ばステレオタイプ化された「ラテン系」の「陽気」さや「自由」よりもむしろ、他者や友人、社会全体に対しても一人一人が「やりたいこと」を優先し「楽しむ」ことを許容する「深い」自由が受容されていること。ここにラテンアメリカの偉大さがあるのではないかとずっと考えていた。(繰り返すとこれは各人が自らの精神状態ゆえに高揚感を表現したり、自由に振舞うことよりも数倍複雑で難しく、どうしても「正論」に始終しがちな日本やアジア諸国の社会では感知しがたいタイプの自由だと思う)

あくまで印象論と断ったうえで。人口約4900万人(ラテンアメリカで3位)のコロンビアはアーティストが非常に多く、アーティストコレクティブやオルタナティブスペースの数は確実に人口1憶3000万の日本を上回る。最大都市のボゴタだけでもそれなりの規模の美術学部を持つ大学がざっと数えて10前後あり、国全体でのアートシーンの規模は人口数十万の中小都市から250万人の主要都市までを含めると相当な規模になる。キャリアの浅いアーティストでも自作の展示に賃貸料払うことは滅多になく、逆にお金をもらえることは少ないけれど、企画が通ればスペースの使用は基本的に無料だ。

コロンビアの作家たちの多くはいつもアートに対する公的支援が少ないことに異議を唱える。しかし展示の公募は国内外の文化機関や小規模なイニシアティブのものを含めコンスタントにアップデートされるし、その大部分は応募無料で、オープニングのパーティー代をシェアする用意さえあれば、前述のように自作をどこかのホワイトキューブで展示することのハードルはそれほど高くない。

ここ3年ほどオーガナイズしてきた展示(http://www.takaakikj.com/curatoriales/) の多くは大学や文化機関所有のスペースやミュージアムが中心で、現状復帰という条件のもとスペースの使用コストがかからないのは前提で、どこまで交通費、設営費、キュレーションの報酬が出るかという交渉が焦点となる。

先日墨田区Art Trace Galleryのミーティング(2020年3月7日)にてシェアした大体の内容。

Photo: Miyuki Ichijo

COVID-19

明日から開始される全日自宅待機では、医療・消防などで緊急性のある市民以外は基本的に外出禁止。ただし世帯につき一名は食料の調達やペットの散歩などの目的で最低限の距離を外出してもよいとのことです。

予期せぬ危機の渦中に日本からコロンビアに移動することになったのは、情勢が異なる社会におけるCOVID-19に対するリアクションを観察することができたという意味でとても貴重な機会でした。(というよりはまず国境封鎖直前に入国できたことに感謝)

日本ではニュースなどでいかに正しい知識に依拠しながら各自が自己防衛するかという点が繰り返し強調されていたのに対し、ここコロンビアでは「不要に外出してウィルスを広めるのはやめよう」「一致団結して危機に立ち向かおう」という呼びかけが目立つ気がします。

そこには知人談「コロンビア人はエゴイストだから他者を感染させるリスクについて無頓着、きっと手も洗わないしマスク着用もしない」という自国民の個人主義に対する不信のほかに、「経済格差が激しく医療体制に不備の多いこの国で路上生活者やベネズエラ人移民らが見捨てられてゆくのではないか」という危惧が強いように思います。

印象論と断った上で。感染の経路や進行度合いにタイムラグがあり一概に比較はできないのですが、コロンビアのケースほうが先の見えなさや感染することに対する市民の不安は大きいように思えます。

幸いなことに入国直後の外国人だからという理由で不当な(差別的な)扱いを受けたことはいまのところありません。感謝!

成田空港第一ターミナル(3月14日午後)